カナダ国境到着後ワシントン州を後にして、
今はカリフォルニア州北部を北から南へ歩いています。
Ashlandというオレゴン州南端の街からリスタートしてカリフォルニア州の南下を始めており、それから3つほどの街を通過しました。現在はリスタート地点から300kmほど離れた所まで来ています。
しかしトレイルに戻れたのは大変喜ばしい事なのですが、道中で大雪に降られたり、足を怪我したりと思う様に距離が伸び悩んでいます。
トレイルでも街でも一時停滞を余儀なくされ、少し不完全燃焼気味の日々を送っています。
そんな日々ですが、トレイルエンジェル達の優しさと愛情深さに本当に救われました。
トレイルと自宅まで往復2時間かけて車で送ってくれたり、スノーストームが過ぎ去るまで家に泊めてくれるだけでなく、足を痛めた自分の為にトレイルまで迎えに来てくれた事もありました。
そして多くのトレイルエンジェルが家に泊めてくれるのですが、3食の食事を当たり前の様に提供してくれます。まるで本当の家族のように扱ってくれます。
少しでも感謝の印として幾ばくかのお金を渡そうとするのですが、彼らの多くはお金はいらない。これが僕たちの喜びなんだ。と言ってお金や贈り物を受け取ってくれません。せめてもと自分は拙い英語で感謝の思いを伝えるのですが、上手く伝えられません。英語が満足に話せない事がとても悔やまれました。
少なくとも今回いただいた恩や愛情はしっかり噛み締めて、次の誰かに繋いでいかなければいけない。そう思っています。
彼らの愛情と思いやりが無かったら、僕は既に歩き切る事を投げ出していたかもしれません。
それほどまでに天候の悪化や怪我などで、思うように歩けない事のストレスは大きいものでした。
雪に降られたり、足を痛めたりと
トラブルはありましたが、
北カリフォルニアの自然はとても美しいです。
砂漠と針葉樹の森が織りなす、荒々しくワイルドさに満ちた山容は冒険心をくすぐります。森には美しい川や湖もあり、稜線に出ると幾多の多肉植物やハーブなど、日本とは趣きの異なる豊かな植生に心躍ります。
こんな大自然の中、ひたすらに歩き続ける事が出来る今は最高に贅沢な瞬間だと感じます。助けてくれている人々や、歩かせてくれているトレイルの自然や生き物に対して感謝の念が自然と湧いてきます。
いよいよ旅は残り2週間ほどで終わりです。足に不安はありますが、アメリカの大自然を少しでも味わい尽くせる様に一歩一歩を大切に歩んでいきたいと思います。
MJでした。